平日にも関わらず結構混んでいる。
予約優先のチケットを取っておいて良かった。
2006年の全景展ではその物量に圧倒された記憶がある。
それも17年も前かと思うと時間が経つのは早いものだとおもう。
しかし大竹伸朗はその頃と変わらない場所にいた。
ポップでカオスでいながらも、懐かしい感じのする作品群は、今回も物量は多いものの、全景展ほどのボリュームは感じなかった。
大竹伸朗の作品と向き合うと、美術というメディアと接することにおいて、自分が西洋人とは違った文脈をもつ人種であることを再確認させられる。
西洋美術に向き合う時に僅かに感じるヨソ者的な居心地の悪さは全くない、無意味でカオスなようでいて、実は自分たちが本来持っている等身大の日本人的成分が多く含まれているのを感じられる。
かと言って、「日本人なりの現代アートを作る」みたいな作為もなく、「美術の伝統的な様式」もスクラップブックに貼り付ける素材の一つくらいにしか捉えていないかのように、別に美術に落とし込まないけど何か?的なふてぶてしさがある。
展示室を満たすのは無意味や無作為。
ポップカルチャーとの親和性。
西洋への憧れと誤解。
500点を見たというよりは1点の大きな絵を見たような気がする。
帰り道、味気ない高層ビルや高速道路の景色がこの国の持つ大竹伸朗的世界をすっぽり覆い隠しているようにも感じて、いつも以上に街が退屈なものに見えた。